お金持ちになる営みの全体像 (2007年10月21日日曜日)


お金持ちになる方法自体に焦点を当てて書かれている本を読むと、たいてい共通して扱われているのですが、その実よく見えないことがあります。それは、お金持ちになるための営みの全体像です。それについて、今まで読んだ本から私なりにまとめてみました。それは、以下のようになります。

  1.仕事 2.節約 3.利殖
アルバイト / つとめ 貯金 ファンド
ビジネス 会計 / 節税 不動産投資 / 株式投資

上の表を見ると、3種類の大きな営みがあります。それぞれ、仕事は「基本」で、節約は「守り」、利殖は「攻め」と言ったらいいかもしれません。この3つの営みについて、少し考えてみたいと思います。

まず、基本の「仕事」です。これを無視しては、お金持ちになるのは難しいでしょう。この仕事には、収入の少ない「アルバイト」や「つとめ」があり、大きな収入を得られる「ビジネス」があります。邱永漢氏も、「もし収入を得るためなら、サラリーマンは不適当です」(『生き方の原則』p.149)と忠告しています。ただし、前者は比較的簡単に収入を得ることができますが、後者はとても難しいようです。私自身はやったことがないのでわかりませんけれど、会社の経営に失敗した人を数多く見ていると、ビジネスというものがいかに難しいかを感じます。

ただし、ビジネスというのは、会社の経営だけではなく、個人で行うこともできるようです。会社ではない形の、個人的なビジネスを開拓していく必要がありそうです。残念ながら、それに関する知識はまだ私にはないので、今後勉強して行きたいと思います。

いずれにしても、仕事で成功するポイントは、「価値の創造」です。価値を生み出すことに成功すれば、それはビジネスとして成り立ちます。そのためには、やはり一生懸命勉強する以外に道はないでしょうね。

次に、守りである「節約」です。お金持ちになる方法について、むかし書かれた本を読んでみると、ビジネス的視点ばかりで、節約の問題については等閑視されていることが多かったようです。しかし、最近は、節約にも技術が要ることが一般に認識されるようになったようです。そして、数年前には『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』という本が出ました。これは、会計学の観点からお金の運営を説いた本で、私にとってとても有益なものでした。その後、『コピー用紙の裏は使うな』という本も出ましたが、この本は、経費節減イコール利益であると説き、経費節減のために経営が萎縮してしまうという愚を冒さない方法を追求しています。

とはいえ、かなり多くの人たちが、貯金を増やす方法すら知らずにいるというのが現状のようです。もしかしたら、昔の人たちに比べて貯蓄が下手になったのかもしれません。そのためか、最近出版されるお金持ちになるための本には、お金が漏れていくのをどうやって防いだらいいのか、その基本を教えてくれる本が多くなりました。実は、私はそういう本を読む前は、入ってきてもすぐに出て行ってしまうお金を、どうやったらいいか、思いあぐねていたのです。何しろ、引き出しに入れて鍵をかけておいても、だんだんと減っていってしまうのがお金ですから。(笑)

ところで、私のような低収入では問題にならないのですが、収入が多くなると、税金が問題になってきます。どうやったら節税できるか。これは、節約におけるいちばん難しい点かもしれません。しかし、賢い納税法について学ぶことによって、かなり大幅な節約ができることも確かのようです。お金持ちになろうと思ったら、収入の少ない段階では問題にならない、このようなことも、将来を見越して学んでおく必要があるでしょう。「安月給のあなたが節税の勉強とは、いったいどういう風の吹き回しですかね」とからかう人がいたとしても、無視すべきです。いずれお金持ちになるのですから。

いずれにしても、節約の要諦は「いかに多く残せるか」に尽きます。無駄遣いをなくし、経費を削減し、税金を低く抑えることで、どれだけ余計に残せるかという点に、意識を集中するわけです。私たちも会社に倣って、たとえば次の給料日までに残った額を「純利益」と考えれば、節約も刺激的なゲームになるのではないでしょうか。

次に、3つ目は、攻めの「利殖」です。大昔は銀行の利子で食べていた億万長者たちもいたそうです。年利が6パーセントもあって、大金を銀行に預けておけば、利息だけで月々の生活はまかなえてしまったといいます。しかしその後、インフレや金利の低下などによって、そういう利殖はできなくなりました。

現在可能な利殖は、投資くらいのようです。投資は、元本を割ったり、全額を失ったりするリスクを伴うので、難しいものですが、この攻めの行動がないと、資産を増やしていくのは難しいのが実情です。

ただし、投資の中には、比較的リスクの低いものもあります。それは、最近人気のあるファンド(投資信託)です。もっとも、ファンドにもピンからキリまであるようで、どれがいいかは自己責任でちゃんと調べて買う必要があるようです。銀行員に聞いたり証券会社の社員に聞いたりするのはあまりよくないというのが、日本でも韓国でも共通して言われている忠告です。お金に国籍はないと邱永漢氏は言っておられるけれど、こういう業界の体質にも、国籍がなくなってしまったのかもしれません。

しかし、ファンドよりも高い収益を得られるのが、自分で直接投資することです。それには、不動産投資と株式投資とがあります。不動産投資については、私は韓国に住んでいて、韓国の政策は外国人には閉鎖的なのと、私自身持っているお金がほんのわずかしかないのとで、不動産投資にはあまり関心がもてません。

不動産に比べ、比較的小額でできる投資といえば、株式投資です。しかし、これはとても難しく、ファンドとは比べ物にならないくらいリスクが高いので、十分な事前学習が必要です。そのように難しい株式投資ですが、株に関心を持ち始めると、社会の動きに関心を持つようになってくるので、もしかしたら、社会について知りたいと思うなら、誰でも株式投資をする必要があるのではないかと思うようになってきました。

投資の要諦は「安いときに買って高いときに売る」ということ。これで収益が得られます。たったこれだけのことです。とはいえ、それはとても難しいことです。ですから、投資で収益を得るためには、勉強が必要です。そして、投資のベテランたちの話によれば、けっこう高い“授業料”も払う必要があるとのことです。たとえば、ザビエル氏は次のように言っています。

証券投資では5万円から10万円の失敗を何回も経験してください。それを授業料と考えてください。失敗のないこと自体が、リスクになるのです。
(ザビエル『世界一読みたかったお金の聖書』PHP文庫、2007。p.72)

このように、お金持ちになる方法は、「仕事」と「節約」と「利殖」の3つがあり、どれもが大切ですが、重要な順からいえば、1番はやはり“基本”の「仕事」で、2番は「節約」、3番は「利殖」となるでしょう。私の考えでは、節約が仕事に先行することがあってはなりません。せっせと貯めることだけに熱中して、仕事を怠けているなら、収入は先細りになるばかりだからです。当然、貯金の増え方も、次第に鈍っていってしまうでしょう。また、利殖が節約に先行すべきでもありません。そうしないと、欲に目がくらんで全財産を投資につぎ込み、大損をするなんてことが起こるからです。

蓄財という営みの全体像を知って、体系的に行動する必要がありそうです。


引用・参考図書