単語を覚える


単語を覚えることは、ものすごく大事なことだ。単語を知らなければ、他の何を知っていても、その外国語で用を足すことはできない。

教材に出てきた単語を取り立てて、その語形をじっくり観察し、時にはある単語の意味について、文脈から切り離して考えてみる必要もある。文脈を無視して単語を覚えるのはまずいが、単語一つを取り立てて考えることは有益だ。

単語をその使われる文脈も全く知らないまま、訳語と一緒に無理やり覚えるのは、問題がある。時にはそれも避けられないことがあるが、そういうものは、知識が不正確なだけでなく、じきに忘れてしまうことが多い。私も昔、『朝鮮語常用六千語』という本で韓国語の単語を頑張って覚えたことがあったが、覚え終わって6ヶ月後にはきれいさっぱり忘れてしまっていた。しかしその後、『週間朝鮮』という時事週刊誌を韓国から取り寄せて読むようになってから、そこに出てきた知らない単語を辞書で引いて分かったものは、いつまでたっても忘れなかった。興味をもって読んだ文章に出てきた単語は忘れないようだ。

だから、単語は必ず、ある文脈の中にあるものを覚え、単語だけを取り出して覚えるときも、その文脈の中で使われた、その使われ方を思い出す必要がある。そうやってその単語の意味を吟味しながら、その単語の語形が自分の中に定着するまで口ずさんだり書いてみたりすれば、その単語はその後もなかなか忘れないだろう。

ところで、単語を覚えるとき、「語形」と「意味」の両方を覚えることが必要なのだが、重点を置くべきなのは、「語形」の方だ。私はときどき、意味は覚えたんだけど、単語の形は思い出せないということがある。これではいけない。語形をしっかり覚えなければその単語を覚えたことにはならない。意味は、その語が使われた文脈を思い出すことによって思い出すことができる。

つまり、単語を覚えるときのポイントは、次の2点になる。

  1. 語形に重点をおいて覚えること
  2. 意味は文脈に依存すること

ちなみに、この語形だが、外国語の学び初めにはなかなか覚えられなくて苦労する。しかし、学び続けていると、だんだん覚えやすくなってくる。それは、単語の多くは複数の構成要素から成り立っているのだが、単語をたくさん身に付けて行くうちに、初めて接する単語に、知っている構成要素を含む語が多くなるためだ。