938   Re:「論争 英語が公用語になる日」中公新書を読んで
2002/02/15 02:02:32  ijustat   (参照数 9)

英語が公用語ですか。夢物語というか、SFのような話ですね。

で、一般大衆に英語が必要かどうかという議論ですが、現実問題として、英語は必要だと思います。一般大衆であり庶民である私も、英語ができずに不便したり人生を悲観したり(?)することがしばしばあります。

私は、自分が今の状態で英語に公用語になられたら、本当に困ります。どこへ行っても、「あなたは英語が実用水準に達していませんね。この建物に立ち入ることは許可できません」なんて言ってシャットアウトされてしまうに違いありません。

しかし、日本で英語が公用語になることで得られる点は大きいと思います。まず、国際的な論争に、国民一人一人がまともに晒されるに違いありません。今までは、言語のバリアがオゾン層のように国際的な価値観の嵐から国民を守っていた(?)けれども、英語を国民のほとんど全員が使用できるようになると、この嵐は容赦なく国民に吹き付けます。日本のマスコミが世論を調節しようと思っても、国民の得られる情報を操作しようと思っても無理です。そうして錯綜する知識や価値観の中から、本質を見抜く思考のできる人たちが増えてくると思います。

私の周囲には、外国語を学んだり、外国語で生計を立てたり、外国に暮らしたりしている人たちが多いので、日本以外の価値観に日々触れている人が多いです。このクラブにしても、純粋に現代日本の、日本人の日本語による日本人のための情報の中だけで暮らしている人ではありませんよね。体は日本にあっても、外国語ができてインターネットで外国のサイトを見たり、外国人とコミュニケーとしたりすることによって、かなり違うものの見方や感じ方を知らず知らず身につけていると思います。

日本で英語が公用語になったら、このような状況よりももっと多様な考え方の世界の中に、私たちは置かれることになります。それはすでに外国語や外国の考え方に触れている人には、そんなに多きな変化ではないかもしれませんが、日本語で日本式の考え方の中だけで暮らしてきた人にとっては、大変な変化だと思います。言語は混乱し、価値観も、考え方のパラダイムも、日本人としてのアイデンティティーも、深刻なほど混乱するかもしれません。

しかし私は、この状況に希望を抱いています。混乱する日本語の中で、日本語に対して自覚できるようになると思います。価値観が混乱する中で、より普遍的な価値観が見えてくるでしょう。考え方のパラダイムが混乱するのは、日本の中に国際的な状況が起こるのだから、望ましいことです。日本人としてのアイデンティティーが混乱すれば、むしろ自分が日本人であることがどういうことなのかがもっと分かるようになるのではないかと思います。

…「論争 英語が公用語になる日」は、そういうようなことを論じ合っているのでしょうか。

私だったら、公用語になる外国語は、英語ではなく、韓国語だったらいいのにと思います。なぜなら、もう自分が使っているからという自己中心的な理由からと(汗)、日本人にとって勉強しやすいという利点。他の外国語はさておいて、韓国語の場合、新しく韓国語を勉強しはじめる人がどんどん上手になってきて、昔から韓国語ができる人たちをしのいでいます。こういう外国語は、他にはないでしょう。

英語はすでに、公用語になろうがなるまいが、私たちの生活の中へ徐々にその手を伸ばしてきています。英語の上ですいすいサーフィンしている人もいれば、英語に首根っこをつかまれている人も多いと思います。私は首根っこをつかまれて、じたばたしている部類です。

英語は、公用語になるならないに関わらず、国民がこの英語の波に呑まれるのではなくて、その波に乗れるように、まともな英語教育をして欲しいですね。

あ、そうそう。今年から韓国の高校の外国語教科書が新しく変わりますが、かなり実際的なものになります。これまでの教科書の概念で作ってきたものは、全部審査で不合格になり、最終的に合格したものは、半数にも満たなかったそうです。特に、初めの審査では、20社のうち4社しか合格しませんでした。錚々たる教授たちが執筆する日本語教科書です。16社が不合格というのは、大変な事態です。このようなことになったのは、ほとんどの教材執筆者が、コミュニケーションとは何かが分かっていなかったからだと思います。私はそのうち1社の日本語教科書のCD−Rom教材を録音しましたが、原稿を読みながら、いい教科書だと思いました。まともにこの教材を使える先生がいたら、必ず学生たちは日本語が話せるようになるはずです。

日本でもそのように、従来の英語教育の方法をすっかり改善し、韓国のように、近年の外国語教育理論(最新ではなく“近年”です)に則った英語教育をしているのでしょうか。