475   『私の外国語』
2001/06/20 21:11:57  ijustat   (参照数 21)
日本にいる間、『私の外国語』(中公新書)という本を古本屋で見つけました。

この本は、1970年に出たもので、文化人類学者の梅棹忠夫と、朝日新聞社論説委員の永井道夫という人が一緒に編集し、20人の文化人たちが自分と外国語との関わりを書いています。

なかなか面白い本で、色々な外国語学習の秘訣を学べるので面白かったです。90年代中頃に出た『外国語をどう学んだか』では見られない、古典的な学習方法も披瀝されていて、とても刺激を受けました

ただ、面白いのは、現在ほど国際化が進んでいなかった時勢のことなので、外国語学習に対する教養主義が現在よりも幅を利かせているのを感じます。著者たちは、それに対して暗に反論をしたり、教養主義を賛美したりと様々です。(共著者の一人の辻静夫という人は、この本でもまた書いています。内容は似ていますが、視点はずいぶん違っています。同じ著者が書いたものでも、時代の流れを感じます。)

それを特に強く感じたのは、一番最初の文で、筆者が冒頭に「私がドイツ語を学ぶようになった動機は、単純明解である。それが「必要」だったからである」と書いてあるのを見て、思わず躓きそうになりました(笑)。今だったら、当たり前と思う人が多いんじゃないでしょうか。本の冒頭が当たり前の内容じゃ、読者はその先を読み続けるのに強い抵抗を感じますよね。

でも、この人の“必要”というのは、私たちの今普通に思っている“必要”とはちょっと違うんです。その辺の事情は、どうぞこの本を古本屋で見つけて読んでみてください。ちょっと面白いですよ。