262   いい教材の条件
2001/03/14 03:03:05  ijustat   (参照数 7)
いい教材の条件について、思い付くままに列挙してみました。順番は、思い付いた順です。

1.重要な文型が必ず扱われていること。
(教材によっては、初級全体を網羅したものと、初級前半のみを扱ったものがある。いずれにしても、最重要の表現は前の方に集中していなければならない。)

2.重要語が扱われていること。
(自分が教材で使う語彙がどのくらいなのか、著者は把握しているべき。巻末に語彙索引がない教材は、あやしい。もちろん、索引が付いているからといって、安心はできないけれども。ある教材は、語彙索引ではなくて、検索できないただの“単語集”が巻末に付いていた。こういう手抜き作業を見ると、本当に不愉快な気分になる。)

3.習う文型が何のために使われるものなのか説明されているもの。
(時々、これが抜け落ちている教材があります。そういう教材で勉強すると、何がなんだかわけが分からなくなってしまいます。命令法の3人称がどんな意味を表すのか教えてくれる教材があってもいいと思うのですが。)

4.用例が豊富であること。
(文法の説明と変化表だけで終っているような教材は、たぶん身につかないと思う。)

5.流れのある例文があること。
(読解中心の教材なら、多少の長文があること。現代語なら、会話例があること。)

6.例文のセンテンスが長すぎないもの。
(初級で複文を多用していないもの。たとえ重文でも、あまりに列挙が多いのは、考え物。)

7.“機能(=表現や文型などが何のために使われるのかということ)”の概念があるもの。
(ディスコース(=大まかに言って、センテンスとセンテンスの関係)の概念がある教材は、機能にも気を配っている。たとえば、日本語なら「・・・したらどうですか」は、アドバイスの機能があり、「それはちょっと」は、断る機能がある。)

8.各課の分量が大体一定しているもの。
(1課が10ページ、2課が5ページなんていうのは、学習のリズムが作れないので、挫折しやすい。できれば、各課が同じページ数なのがいい。)

9.正しく自然な言葉であるもの。
(これはネイティブ・スピーカーでないとチェックできない。)

10.実際的な用例であるもの。
(「これは本です」「私は先生で、あなたは会社員です」みたいな文は、使い道がほとんどない。特に、「これは本です」が使われたとしても、そのときの状況は、初級ではない。たとえ聖書ギリシャ語の教材だからといっても「ある使徒がその悪い男らと一緒にある人の家に入った」(頻出語彙で例文が作られている)なんていうのは、本当に学習意欲をなくす。今牧師先生に半ば私が教える形で一緒にギリシャ語の教材を読んでいるけれども、その牧師先生も、その例文にうんざりした表情。)

11.執筆者の中にネイティブ・スピーカーがいるもの。
(ネイティブ・スピーカーの名前が挙がっていても、著者よりも地位の低い人の場合はあやしい。ネイティブスピーカーの名前が挙がっていないものは、もっとあやしい。)

12.絵が単なる挿し絵でなくて、状況や文化的背景に関する情報まで提供しているものは、いい教材の可能性が高い。

13.録音教材に神経を使っているもの。
(録音教材がないよりはましだが、できれば臨場感がある録音が好ましい。)

14.著者がその言語の教育の専門家でないものは、大変あやしい。というよりは、そんなもので勉強しても、身につかないと思う。
(中には、言語学者や文学者だけれども、本格的な教材を作れる人もいるから、前書きなどで、その人の言語観がどれだけまともかチェックする必要がある。)

15.名著の誉れ高い教材。
(そういうものは、たいていは時代遅れになっている場合が多いのだが、しっかり勉強すれば、確実に身につけさせてくれる。)