1971   Re^4:行ってきました
2004/06/15 01:12:09  ijustat   (参照数 0)
これは 1970 [行ってきました] への返信です

pdca様、お久しぶりです。ijustatです。

>6月12日。早稲田大学国際言語文化研究所主催・大学書林国際語学アカデミー共催の公開国際シンポジウム 『ヨーロッパ世界の言語と文化 〜新しいヨーロッパ像を求めて〜』に行ってきました。

大学書林というのは、頑張っている会社ですね。先日ヨンセ大学の図書館で、戦前の日本の、いわゆるヒゲ文字で書かれたドイツ語学習書を見つけたのですが、それが大学書林のものでした。巻末の出版案内を見ると、なんと、当時から語学四週間叢書を出していました。

>今回は私がイタリア語を始めるきっかけとなり、よっと私の人生を変えるきっかけとなった西本晃二(政策研究大学院大学副学長)先生がパネリストに出ていたので見に行ったのですが、西本先生のご好意で、シンポジウムの後の関係者の立食パーティーに連れて行っていただきました。
>また、パーティーの後は二人で近くのリーガロイヤルホテルのカフェでアイスクリームを食べ、さらに電車もお住まいの吉祥寺までご一緒させていただきました。

すばらしいことですね。というか、うらやましい(笑)。そうやって偉い先生と親しく交わることができるのは、pdcaさんの人柄だと思います。

ところで、お話を読みながら、外国語を始めるきっかけを覚えているのはいいことだなあと思いました。私は、記憶は定かではありませんが、渡辺キルヨン先生の『朝鮮語のすすめ』(講談社現代新書)を高校生のとき図書館で借りて読んだのがきっかけになっていたような気がします。当時の私には、不思議な魅力のある本でした。クラブマスターのゆどうふさんがドイツ語を始めるきっかけになったのは、どんなことなんでしょうね。

>外国語というとどうしても、その国の文化(歴史、文学、絵画、映画等)とつながって来るのですが、わたくし自身はそちらの方面にあまり興味がありません。
>結果として、語学をやっている人の集まりに行くと、話題に乗れないばかりか、自分は無教養な人間だという劣等感にさいなまれることもあります。

そういう人たちの集まりでは、どんなテーマが主に話題になるのでしょうか。イタリア語だと、イタリア芸術などが中心になるのでしょうか。私はイタリアというと真っ先に思い浮かぶのはパヴァロッティとスパゲッティですが、文化の奥深いイタリアのことだから、その話の内容は、底知れないものなんでしょうね。

>純粋にビジネスの道具として追求している私に対し、西本先生は「君のやっているのは言葉ではないよ。記号だよ」との厳しい言葉。
>「もちろん言葉には記号の側面があり、大学教育での外国語はこれまで文学部にぶら下がってそのような側面を忘れていた面があるが」とのフォローもいただきましたが。

私もどちらかというと、文化よりも、文法としての語学に関心があります。できるようになると、その言語で書かれたサイトなどに顔を出して、実力に合わせていろいろ楽しむようになりますが、やっぱりそれでも何にいちばん関心があるかといえば、文法です。これは、記号も記号、すかすかの、記号のための記号と言えるかもしれません。でも私はそこに、言語の持つ秘められた美しさを感じるのです。

西本先生の理想としておられる語学というのは、どのようなものなんでしょうか。まあ、文法が最大の関心事とはいっても、言語記号の中だけでことばを理解しきるのは不十分で、その言葉の発せられた背景知識も必要になってきます。私もその点に無関心というわけではないんですが、ビジネスの道具としての外国語学習を、“言葉”ではなく“記号”だというとき、言語学で言う“言葉”と“記号”の意味とは違うので、先生のおっしゃったそれらの意味がどんな背景から出たのか気になりました。

コミュニケーションの道具として日本語を教えていると、pdcaさんの追求しておられるビジネスの道具としての外国語というものにとても親近感を覚えます。もちろん、言語の機能はそれだけではありませんが、ビジネスとしての語学を究めることだって、私にとっては深みがあるものに思えます。それに対して西本先生は、どうやら否定的に考えておられるようです。私たちは、いくら言語に関心があるといっても、言語の全ての面に関心を持っている人は、めったにいないはずです。どうせ関心の対象は部分的になってしまうのですから、関心の対象をビジネスに絞ることは、少しもおかしくないと思います。

ところで、もうご存知かもしれませんが、『言語の脳科学』(酒井邦嘉著、中公新書)という本は、とても面白いです。日本語を教えながら、言葉とは何かということに、たえず関心を持たせられている私にとっては、たまらないほど興味を充足させてくれる本です。外国語学習に関心があるこのクラブの他の人たちにとっても興味深い知識を提供してくれるのではないかと思います。

というわけで、ちょっと青臭い(?)話でした。