1381   大人の言語適応力
2003/06/19 17:08:11  ijustat   (参照数 0)
これは 1376 [Re^4:通信用語] への返信です

ゆどうふさんこにちわ!ijustatです。

>文章の構成力というのは、あくまで言語活動の深層にあるということですね
>単語というのは表層に近いものですからね…
>本当は、この深層にある能力を鍛えねばならないのですが、
>どのようにすればそれを教授・学習できるのか…学校のライティングってそういう力つきますかね(それとも、外国語教育でやるよりも、国語教育のほうが先でせうか)?

そういえば、私は受験生のときに、文章力の基本的な訓練を受けたような気がします。論理的な流れに問題があると“読んで分からない”と指摘されて、評価を落とされましたから、分かる文章になるように、あれこれ苦心しました。でも、それに肉が付いたのは、大学を卒業する頃だったような気がします。実は、それこそが日本語力の一番重要な点だと言えるかもしれません。文章の構成力を身につけるには、当然語彙力も必要ですから。

>それが「年寄り」の証明だったりして(笑)
>昨日、タイムリーにも面白いTV番組を見たのです
>「ガブッと!」というバラエティに近い教養番組なのですが、
>「若者ことば」をとりあげており、その中で
>「若者VS.大人」のディベイトのVTRをながしていました。
>各者の論点は、以下のようでした:
>
>若者側
>大人だって、その場で新語(若者ことば)を教わって、覚えればいいではないか(使わなくてもそれは本人の自由だ)
>若者ことばも敬語と同じく、使うか否かは場面による
>
>大人側
>耳障りだ
>会話が通じないではないか
>正しい日本語じゃない

大人側の発言は、ずいぶん貧弱に感じられますね。「耳障りだ」というのは正直でいいとして、「会話が通じない」というのは、すでに理解する柔軟性が落ちてきたことを意味すると思います。外国に住んだら、もっと通じませんから、こういうことを言っている人には国際社会での適応力はないと思います。

「正しい日本語じゃない」というのは、気持ちは理解できますが、言語はどんどん変化しますから、単語が別のものと取って代わるのは、仕方ないことだと思います。

ただ、本当に構造上問題のある表現もけっこうあって、それは、今に始まったことではなく「当局の許可なく立ち入りを禁ず」というのは、私は子供の頃からおかしいと思っていました。最近は「千円からお預かりします」というのが変だと指摘されていますが、いずれにせよ、若者が作った言い回しではないと思います。

私の考えでは、大人たちの使う日本語も(もちろん文人の書く日本語は含みません)、かなり問題があると思います。単語は上等なものを並べているけれども、意見の違う人たちを、理詰めで説得できない。自分の考えの妥当性を(それが実際に妥当な意見だとしても)、よく検討していなくて、感情的に共感できるから、支持して主張している。

ただし、自分のホームページなどを持っていてそこで文章を載せている大人は含みません。彼らは日本語力の上層に属する人たちでしょうから。彼らの日本語は、何だかんだ言っても、うまいのです。若者はネット人口が多いので、そういうわけにはいきません。若者だって、日本語力の上層は、やっぱりそれなりに優れた日本語を使っていると思います。

>上記を見てもそうですし、聞いていても思いましたが、
>大人側の意見は感情論にすぎず、理があまり立っていません。

本当にそうですね。もしかしたら、その番組に出演したのは、若者側は知識人で、大人側は平凡な人というアンバランスな人選を意図的にしたわけではありませんよね。時々マスコミは、比較の対象として相応しくないものを持って来て、かなり自分勝手な結論を出すことがありますから、要注意です。

人選をたとえば、大人側は地方出身の言語学者、若者側は東京出身の近代文学や古典文学を愛する青年にしたら、社会通念とは全く違う様相を呈してくるはずです。また、大人側を言語学者として、若者も言語学を専攻する人たちにしたら、内容は深いけれども、大部分の視聴者が理解できない番組になってしまうでしょう。無作為な人選なら、偶然そうなってしまうことも、あり得ると思います。だから、出演者の人選には何らかの操作があったかもしれないと疑うことができるわけです。

>結局、「会話が通じない」という点が彼らの気に喰わないようで…(「耳障り」に至っては論外です。これを言い出せば、方言も個人のアクセントも全てその範疇に入ります。)しかし、そうならば若者側の言うとおり、「覚えればいい」のですよね。
>これが、「若者が知らないことばを年配の人に聞く(例:『顕著』ってどういう意味ですか?)」だったら問題にならないくせに、
>逆だったら問題になるのは…(例:『イケメン』ってどういう意味ですか?)
>若者ことばも、語形成の観点からいけば立派に研究材料になるくらいすごいのに(笑)

若者言葉を「耳障りだ」という大人は、多分外国語にも関心ないだろうし、外国文化にも関心が薄いだろうと思います。英語やフランス語などは、自分の格調を高めるために関心をもつかも知れませんが、その他の言語は、知らないのが当然と言って涼しい顔をしているはずです。

最近気が付いたのですが、方言を「耳障りだ」という人が、けっこう多いようです。そういう人は、たぶん若者の言葉も認めないでしょうね。(ところで『イケメン』って何ですか。^^;)

>是非使っていきませう、是非(笑)
>私もネット上では、普段使わないことばを多く使います。
>このように敬語ばかりで書くのもその一例です。
>だって私、日常じゃバイト先以外で敬語使いませんもの(笑)

そういえば、さっきEBSの書き込みを読んでいたら、“オットケ(eoddeohge→[eoddeoke])”を“オケ(eoke)”と書いていました。これも通信用語でよく使う形です。私は恥ずかしくて使えませんが、学生が韓国語を身に付けて韓国の学生とメールやチャットなどをやり取りするときには、こういう表現を適宜使うことは、韓国の学生との親密な関係を築き上げるのに重要なことかも知れません。

私たちも、何歳になっても、新しい言葉や文化形態を、戸惑いながらも受け入れていける順応力を持ち続けましょう。