1184   「シンタグマティック」と「パラディグマティック」
2002/09/09 23:22:24  ijustat   (参照数 10)
これは 1183 [Re^3:現代ギリシャ語] への返信です

ゆどうふさま、こんにちは。ijustatです。

慣れてしまえば何かと便利なこの概念(つまり、考えるときの道具)も、初めは使い慣れなくて、不便するものです。

シンタグマティック(syntagmatic)というのは、日本語の先生たちは、“横の関係”と呼んでいます。そして、パラディグマティック(paradigmatic)を、“縦の関係”と呼んでいます。何でそう呼ぶかというと、シンタグマティックというのは、文章が横にずらずらと並んでいる、その並びかたを言うからで、パラディグマティックは、その並んでいる文章のある単語が他の単語と入れ替えられる選択肢を書くと、どうしても、その横に並ぶ文章の上下に、縦に単語を並べることになるからです。

で、シンタグマティックという語を分析すると、“シン(syn)”というのは“いっしょ”の意味で、“タグマ(tagma)”は“並べる”と言う意味で、二つを合成すると、秩序よく並べるという意味になるのです。秩序よく並んでいるから、“シンタクス(syntax)”を“構文”とか“統語(構造)”というわけです。もともとは軍隊の整列にこの語を用いたようです。そういう風にきちんと並んでいるから、文章でいえば“横の関係”になるわけです。だから、文字をでたらめに並べただけだったら、シンタックスとは言わないかもしれませんね。『日本語表現活用辞典』(明治書院)のような辞書は、この関係において、作文を助けるものです。コリンズの英英辞典も、この関係の説明が、ぴか一です。

それから、パラディグマティックという語を分析すると、“パラ(para)”というのは“並行して”という意味で、“ディグマ(digma)”は“見せる”という意味で、二つを合成すると、並べて比較するというような意味になります。“パラダイム(paradigm)”は、“変化表”ですよね。変化表は、ある語の変化形を並べて比較するから、“変化表”になるわけです。そして、横組みの文章の途中で、ある語と関係のある語を並べて比較するときは、その語の上下に並べるので、“縦の関係”というわけです。類義語辞典のたぐいは、この関係において、作文を助けるものです。

ちなみに、古典ギリシャ語の“パラデイグマ(paradeigma)”を辞書で見ると、“範例、モデル、原形、(建造物の)設計;実例、見本;手本、前例;教訓、見せしめ;実例による証明”と、幅広い意味があるようです。これも、“並べて比較する”という意味から派生したたくさんの意味なのでしょう。

参考までに、“タグマ”の原形は“タットー(tatto)”で、“ディグマ”の原形は“デイクニュミ(deiknymi)”です。ちょっと変化が激しすぎますよね。

おさらいすると、文章が横に並んでいるということを前提として、横の関係か、縦の関係か、ということが、この二つの用語の概念なのです。

お役に立てたでしょうか。もしかえって混乱してしまったら、ごめんなさい。^^;