外国語上達の諸段階(その1)


一口に外国語をモノにするといっても、そのモノにする段階は様々だ。韓国で数年前ベストセラーになった『英語の海にそびえよ』(ハ・グァンホ著、エディター、1997、ソウル)という本に、アメリカのETS Oral Proifisiency Testing Manual(1982)で作成した英語習得段階の基準がある。(p.18-20)

Level 0 : 言葉を生成する能力はない。覚えた決まり文句などが使える程度の実力。母語話者が聞き取れないことが多い。

Level 1 : 創造的に言葉を生産できる。つまり、覚えておいた決まり文句などに頼らなくても、自分の意図するところを表現できる。この水準では、質問したり、質問に答えたりできる。なんとかサバイバル表現が使える段階でもある。この水準では、自分の意志が伝えられる。ごく簡単なコミュニケーション、つまり、宿泊所や食事できる場所、交通手段、症状に合わせた病院探し、道を尋ねることには問題がない。不便はするが、一人でアメリカ旅行ができる。

Level 2 : 過去、現在、未来の時制を用いて説明でき、描写もできる。自分の身の上話、家や学校、職場、時事などの話題を含む、多様な範囲のテーマを扱うことができる。同じことを他の言葉で言い換えられる。しかし、まだ基本文型でしばしば間違いを犯し、Level 3で要求される内容に突き当たると、文法や表現がめちゃくちゃになってしまう。

Level 3 :公式、非公式のシチュエーションで対話ができ、問題解決、状況説明、不慣れな話題の会話、説明、細部の描写、支持に対する意見の表明、仮定などができる。実生活において、社交のための専門的で抽象的なテーマ、特定の関心事、特定分野などについて話すことができる。この段階の人は、ミスを犯すことはあっても、意思疎通に問題が生じるほどではない。外国語のネイティブスピーカーが十分に理解できる話し方だ。しかし、基本的なところで時々ミスを犯す。初めて聞くテーマやシチュエーションを処理でき、自分の意見、仮定表現、かなり込み入った説明などもできる。文法的なミスはあるにはあるが、ネイティブスピーカーを混乱させたり、何を言っているのか分らなくさせるような誤りは、ほとんど犯さない。

Level 4 : この水準では、話し相手に合わせて言葉を使い分けることができ、商談、説得、交渉、見解の表明、公式的な通訳などができる。専門的な必要によるテーマでも話ができる。この段階に至ると、ネイティブスピーカーとほとんどそっくりな態度で話すことができる。言語生活でさほど重要でない内容の文法的ミスを犯すことがあり、その言語独特の言い回しはまだ苦手。いくつかのミスを除けば、正確で適切な言葉を駆使することができる。発音には多少訛りがあるが、職業に関するテーマを自在に扱うことができるので、この段階になれば、その国の新聞記者をしてもさほど問題ない(訳注:本当だろうか?!)。

Level 5 :電話で話したら、誰が聞いてもネイティブスピーカーだと思うほどのレベル。顔を見て初めて外国人だということが分る。完璧な言語生活を営めるのが、このレベル。つまり、ネイティブスピーカーと全く同じ水準ということだ。

自分が身に付けた外国語が今どの水準にあるのか考えてみるのはいいことだ。私たちのほとんどの英語の実力は、Level 0かも知れない。専門に勉強している外国語は、Level 2に達しているかも知れない。Level 3くらいになれば、その外国語を使って仕事ができるだろう。だいたい、外国に数年住んでいる人は、Level 3に達することができる。この水準に至るには語学のセンスが必要だ。Level 4は、大変な水準だ。その国に住んでいるだけでは、まずこの水準に達することはできない。長い年月にわたる努力と才能が必要だ。